English

Profile

nanan style

nanan styleCOMPACT DISC
¥2,400 (plus tax)
VICL-69029 / aosis records / Victor Entertainment,Inc.

 

 

 

English


aosis recordsの看板アーティストともいうべき存在であり、日本のポップス・シーンを代表するトップ・ミュージシャンたちの集合体であるnanan。彼らのセカンド・アルバムが登場してきた。『nanan style』というタイトルにもあるように、前作よりもさらに成熟し、彼ら独自のスタイルに磨きをかけた、密度の濃い、それでいてリラックスしたサウンドが、ここでは展開されている。
今回も、前作と同様、ハワイでレコーディングされている。そしてこのハワイという土地のマジックが、彼らのサウンドに大きな影響を与えていると、メンバーは口々に語る。“これだけのメンバーだから、東京でもそれなりにクォリティの高いものは作れるけれど、この空気感というか、全体のノリは、ハワイじゃないと絶対に出せない。ゆったりとしてして、いい意味でルーズで”とプロデューサーでもある新川博は言う。確かに、このリラックス感や、音の隙間の気持ち良さは、セカセカと生活している日本の日常とは、一線を画すものだ。そしてそれがnananのメンバーたちの名人芸を、さらにハートフルなものにしている。
このアルバムに収録されている楽曲は、メンバーの好きな曲が中心となっているが、nananならではのセンスのいいアレンジと、クォリティの高い演奏がひとつとなり、曲の良さをさらに際立たせている。このあたりは、彼らならではの魅力だろう。ちなみに、随所で聴けるシェイカーの音は、ほとんどが山本潤子によるもの。“潤子ちゃんのシェイカー、すごくいいんだよ”とは“本職”の浜口茂外也の談。

1.Up Up and Away
60年代後半に活躍したアメリカのコーラス・グループ“フィフス・ディメンション”の67年のヒット曲で、全米7位を記録した。ゴージャスなサウンドとヴォーカルがひとつになり、nananのセカンド・トリップの始まりを告げている。山本潤子の透明感のあるヴォーカルも曲に見事にフィットしている。

2.MAS QUE NADA
ブラジルを代表するソングライター、ジョルジュ・ベンの代表曲で、66年にセルジオ・メンデス&ブラジル66がヒットさせておなじみとなった。こういったゆったりとしたサンバは、nananの独壇場だ。そしてハワイの空気が、そのリズムをさらにゆったりとさせている。nananのメンバーとハワイの空気がひとつになった、音楽のマジックともいうべきサウンドが展開されている。

3.A Bord of Affection
高水健司のオリジナル。“ベースをさわってたら、自然にできた”曲だそうだが、彼のロマンティックな面がうまく表現されたナンバーだ。ベースとギターよるテーマのメロディが美しい。高水健司と吉川忠英のソロも素晴らしく、彼らの歌心の豊かさがよく表われた楽曲だ。

4.No More Blues
ブラジルが生んだ偉大なる作曲家、アントニオ・カルロス・ジョビンが58年に作曲したナンバーで、スタン・ゲッツ、カーメン・マクレエなども取り上げている。浜口茂外也が初めて好きになったボサ・ノヴァの曲で、当時はジョビンのレコードを擦り切れるぐらい聴いたそうだ。浜口茂外也のヴォーカルが、いい味を出している。このゆっくりとしたリズムも、簡単に出せそうで、実はなかなか出せない。nananならではの演奏だ。

5.La Mer
古いシャンソンのナンバーで、アメリカでは英訳されて「Beyond The Sea」というタイトルでヒットした。シャンソン、ポップスのフィールドを問わず、多くのシンガーが取り上げている。ビギンのリズムに乗って、アコーディオンとマンドリンが、オシャレなメロディを奏でていく。音の隙間を感じさせながらも、密度の濃いサウンドはさすがだ。

6.This Guy's in Love with You
ポップス史上最高の作曲家バート・バカラックと、作詞家のハル・デヴィッドとの名コンビによる初めての全米ナンバー1ヒット。68年にトランペッターのハーブ・アルパートがヒットさせ、翌年ディオンヌ・ワーウィックが“This Girl's~”のヴァージョンをヒットさせた。シンプルな楽曲だが、それがかえって心に染みる。ヴォーカルのバックでさりげなく鳴っているウクレレの音色も効果的だ。

7.Over the Rainbow
39年の映画『オズの魔法使い』の主題歌で、主演のジュディ・ガーランドが歌い、同年のアカデミー賞映画主題歌唱を受賞した。吉川忠英が“ずっと前からこういうアレンジで演ってみたかった曲”というナンバーだが、サンバのビートと、口笛によるメロディというアレンジがとても新鮮だ。聴いている方もウキウキとしてくるような、ハッピーなナンバーに仕上がっている。

8.A Distant Past
ラストは高水健司の作曲による美しいバラード。ここでは作曲者自身がハーモニカを吹いている。ハーモニカを初めてまだ間もないということだが、エモーショナルで素晴らしいソロだ。nananの新しい魅力が引き出されたナンバーだといえそうだ。

忙しく、追い立てられるように生きている現代人。そんな生活の一服の清涼剤になれれば、とメンバーたちは言う。シンプルだけど、上質。リラックスしているが、エネルギーに満ちている。そんな彼らのサウンドを、みなさんもリラックスしながら、心ゆくまで楽しんでください。

熊谷美広

Track List

1. Up Up and Away

words & music : Jimmy Webb arrangement : Hiroshi Shinkawa

2. MAS QUE NADA

words & music : Jorge Ben & Jorge Lima Menezes arrangement : Hiroshi Shinkawa 1963 by PEERMUSIC DO BRASIL EDICOES MUSICAIS LTDA

3. A Bord of Affection

music : Kenji Takamizu arrangement : Kenji Takamizu

4. No More Blues

words : Vinicius de Moraes music : Antonio Carlos Jobim arrangement : Motoya Hamaguchi

5. La Mer

words : Charles Trenet music : Charles Trenet & Albert Lasry arrangement : Chuei Yoshikawa by EDITIONS RAOUL BRETON

6. This Guy's in Love with You

words : Hal David music : Burt Bacharach arrangement : Hiroshi Shinkawa

7. Over the Rainbow

words & music : Harold Arlen & E.Y. Harburg arrangement : Chuei Yoshikawa

8. A Distant Past

music : Kenji Takamizu arrangement : Kenji Takamizu

"nanan" are
Percussion, Flute & Vocal : Motoya Hamaguchi
Acoustic Guitars & Vocal : Chuei Yoshikawa
Piano : Hiroshi Shinkawa
Bass : Kenji Takamizu
Vocal & Percussion : Junko Yamamoto


Produced by nanan & Toshiya Kamada


Recorded at Audio Resource Honolulu Hawaii
Engineered by Kaz Masumoto (studio legacy L.A.)
Mixed by Hiroshi Shinkawa at aosis Recording Studio Tokyo Ebisu
Mastered by Hiroshi Kawasaki at Victor Studio


A&R:Chief/Hiroshi Kurihara,
Akihiro Harada,Tamai Hamamori(Victor Entertainment,Inc.)
Market Planning:Yasuo Masubuchi(Victor Entertainment,Inc.)
Desk:Maiko Sugimura(Victor Entertainment,Inc.)
Recording Management:Keiko Tajima(naUta,Inc.)
Reiko Aoyama,Satoshi Hosogane(Cue & Co.,Inc.)
New Media Operator:Keisuke Kuori
Hawaii Coordinator : Chie Masumoto (studio legacy L.A.)


Art Direction & Design : Eori Wakakuwa (image plant)
Photographs : Atsushi Kimura & Eori Wakakuwa (image plant)
Editorial Coordination : Victor Design Center

aosis records Produced by Hiroshi Shinkawa & Toshiya Kamada


Executive Producer : Teruo Saegusa for Victor Entertainment,Inc.


Special Thanks from nanan to Toshiya Kamada,
Osamu Murayama (Toyo Media Relations Co., Ltd.), Keisuke Kuori,
Hiroshi Watanabe & Yoko Satoh (Bird Planning), Saemi Takahashi (T-off),
Chie & Kaz Masumoto (studio legacy L.A.), Tony Hugar (Audio Resource Honolulu)
and ANA.